- 導入事業者:南筑後農業協同組合
- 職員数: 252名
- 導入日:2021 年 10 月
- 担当: 渕上さん (営農部園芸課)
導入経緯
導入時の課題
- 組合員が提出する出荷予定数量の精度が低く、効率的な販売に繋げられていない。
- 出荷予定をFAXで受け取るため、集計業務に時間と手間がかかっている。
- 組合員への情報配信もFAXで行っており、デジタル化をしたいが幅広い年齢層の組合員が利用できるサービスがない。
nimaruを導入した効果
- 数字の共有や変更が簡単なため、出荷予定数量の精度が上がった。
- 画面一つで出荷予定の確認や集計ができるため集計業務の手間が大幅になくなった。
- LINEを窓口にした使いやすい画面のため、高齢の組合員でも利用ができ、情報配信にかかる手間も削減できた。
nimaru(にまる)導入前のJA様の課題について教えてください。
私たち柑橘部会は兼ねてから先3日の出荷予定を組合員さん全員からいただいており、効率的な販売体制づくりに活用してきました。
しかし、実際の出荷量と事前にもらっていた予定量のブレが大きく、予定をいただく頻度を変えてみるなど試行錯誤をしてきましたが目立った改善が見られませんでした。
また、出荷予定情報は組合員さんからFAXで受け取っていたため、紙代やインク代だけでなく、エクセルへの手打ちによる集計作業など職員の負担も非常に大きな課題となっていました。
数あるデジタルツールの中でnimaruを選んでいただいた理由を教えてください。
最初にnimaruを知ったきっかけは日本農業新聞の記事でした。長野県のJA松本ハイランドさんの取り組みが記事で載っており、私たちの抱えている課題を見事にnimaruで解決されているなと思いました。そこで具体的な取り組みの内容についてお話をお伺いできればと思い、直接JA松本ハイランドさんへご連絡をさせて頂きました。
素晴らしいフットワークの軽さですね!ご利用中のJA様より実際にお話をお伺いされていかがでしたか?
今は業界でもいろいろなシステムの話がありますが、中々上手く農業現場で使えていないケースも多いため、実際に利用されている他のJAさんの生の声を伺うことで、nimaruに対するよりリアルな利用状況をお伺いすることができとても参考になりました。
品目は異なりますが、紙をベースに組合員さんから出荷予定を集めていたやり方は同じだったため、紙の集計やExcelへの手入力などにかかっている時間や手間も同じものがあると思っていました。
そうした他のJAさんが幅広い年齢層の組合員さんたちにしっかりとサービスを利用して頂き、組合員さんから集まる出荷予定をデータとして自動的に集計することで、担当職員さんの業務負担が大幅に削減できているといった話を聞くことができたので、自信を持ってnimaruを導入することができました。
その後、kikitoriさん(nimaruの運営会社)に問い合わせを行い、私たちが抱えていた課題に対する解決策をご提案頂き、導入を決定しました。
nimaruはLINEが入口となっているので組合員側も登録や利用がしやすいなど機能面で優れていることはもちろんですが、全国で実際に農業現場で活用され成果が上がっている事例があったことは導入を決める上で大きな後押しとなりました。
どのように組合員さんへnimaruを拡げていかれたのでしょうか?
私たちJAの柑橘部会は支部と呼ばれる19ほどのグループが存在しています。年配の組合員さんも多くいらっしゃる当部会にて、いきなり全ての支部でnimaruの利用を一斉に開始するのは流石に難しかったため、まずは1つの支部を選んでトライアル的に利用を開始しました。
トライアルの結果、組合員の皆様の声はいかがでしたでしょうか?
結論からいうと利用した支部の組合員からnimaruに対する高い評価の声が上がりました。トライアルでの導入に関する部会の会議では「一度活用したら以前の(紙での)取りまとめには戻れない」、「出荷経費をあげてでも取り組んでもらいたい」といった意見が利用した組合員さんからありました。
正直なところ、新しいシステムをトライアル的に導入するとなった当初は支部の一部の組合員からも取り組みに対する拒否反応がありました。特にあまりスマホなどを頻繁に触らない組合員さんにとっては、自分ができるかどうか心配されていた面があったのは事実です。しかし、実際は取り組みの結果、利用した組合員さんのうち、誰一人本導入に対する反対意見はでず、引き続き、取り組みを行ってほしいという要望になっていました。
とてもありがたいですね。
その後、他の支部に対しては、各支部へJA職員が挨拶へ行く際にnimaruを案内し、その場でそれぞれの組合員さんに登録をして頂きました。
nimaruは事前に組合員さんごとの登録用QRコードが載った登録シートを作成でき、それを組合員さんに読み込んでもらうだけで簡単に登録ができるので、JA側も特別な準備をする必要がなく、簡単に他の支部へ拡げることができました。
もちろん、中には高齢でスマホを持っていない組合員さんもいらっしゃいましたが、そうした場合でも奥様やお子様などご家族のどなたかがスマホを持っているケースが多く、ご家族が登録して使って頂いています。
nimaruを導入されて効果はいかがでしょうか?
JA職員からも組合員さんからもとても使いやすくて、これまでのやり取りよりも便利になったという声が多いです。
私たちのJA(柑橘部会)で利用しているのは出荷予定の共有とJAからのお知らせ配信の2つの機能なのですが、LINEを窓口に全ての機能が使えるので利用がしやすく、nimaru自体も営農・販売現場の状況をしっかりと踏まえた上での操作画面となっているため、シンプルですが必要な機能が揃っていて非常に使いやすいです。
出荷予定のすり合わせについては、元々JAと組合員さんとの間でFAXを使って行っていたため、新規の組合員さんも含めて、全員に必ずFAX機を買って頂いていましたが、もうこれからはそうしたお願いをする必要もなくなりました。
また、組合員さんからの出荷予定を一つの画面で確認することができ、集計も自動でできるため、これまで最も解決したかった集計業務にかかる時間も大幅に削減することができました。
nimaruを使った組合員への情報の配信については、これまでメールを使ったお知らせの配信を一部では行っていましたが、LINEと比べてメールの利用率は低く、JAの30代職員でもメールはあまり使っていなかったのでほとんどがやはりFAXや対面での情報配信となっていました。一方で、nimaruはJAの職員側もスマホからLINEと同じような感覚で操作することができるためとても使いやすいと評判です。
出荷がない時期でも組合員さんへのお知らせ配信で利用することができるため、今では一年を通して手放せないツールとなっています。
同じような機能をもつ大手システム会社や他社のサービスも使ってみたことがありますが、JA職員、組合員さん双方にとって、nimaruが一番使いやすく、実際に多くの組合員さんにご利用頂いています。
今後、nimaruの活用に関する展望などがあれば教えてください。
まずはお知らせ配信から各支部で利用をしてもらい、組合員さんに対してnimaruJAをさらに広げていきたいです。出荷予定の共有に関する取り組みについては、膨大な数のFAXのやり取りをなくしながら、出荷予定の集計も自動化できることで、組合員さんとJA双方の手間を大幅に減らせます。さらに、より正確な出荷数量を早く集めることができるため、選果場の効率的な運営、さらには出荷先への商品の有利販売にも活かすことができます。
貴重なお話しをお伺いさせて頂きありがとうございました。